トップメッセージ
信頼を礎に、
業界・地域・パートナーとともに
責任あるインフラとして
持続可能な社会の実現を支えていく
代表取締役社長
木村 慎
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。代表取締役社長の木村慎です。私は副社長を経て2026年1月より社長に就任いたしました。本年は2022年度からスタートした中期経営計画の最終年度という重要な節目であり、その経営を担う責任の重さを日々痛感しております。
企業を取り巻く環境は大きく変化しています。人口減少や人手不足への対応、生産性向上、脱炭素社会への移行など、多くの社会課題が顕在化する中で、企業活動のデジタル化はこれまで以上に重要な役割を担うようになりました。当社は創業以来、「企業活動をより速く、正確に、シンプルに」することを使命として、企業間取引のデジタル化に取り組んでおります。 社会インフラとしての役割が大きくなるほど、当社に求められるものは利便性や機能だけではありません。何より重要なのは「信頼」です。そしてその信頼は、お客様やパートナーの皆様、そして社会から必要とされ続けることで初めて築かれるものです。だからこそ当社は、業界や地域、パートナーの皆様とともに社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考え、本年度「業界と共に。地域と共に。パートナーと共に。」という新たなスローガンを掲げました。
新たなスローガン策定で事業推進を加速
このスローガンには、デジタル化を一部の企業だけのものにせず、業界全体、地域全体へ広げていきたいという思いを込めています。当社はこれまで、外食業界を中心に企業間取引のデジタル化を推進してきました。その過程で強く実感したのは、一部の企業だけがデジタル化しても社会全体は変わらないということです。大企業だけでなく中小企業も含めて業界全体が変わることで、初めて大きな価値が生まれます。生産性向上や人手不足への対応、さらには持続的な成長も、その先にあります。それぞれの業界や地域に根差したパートナーの皆様とともにデジタル化を着実に広げていくことで、日本社会全体の生産性向上に貢献してまいります。
プラットフォーム事業の拡大が社会課題の解決に
おかげさまで当社のプラットフォームは、多くの企業や事業所の皆様にご利用いただく規模へと成長しました。しかし、この成長を単なる事業拡大として捉えているわけではありません。当社が目指しているのは、自社サービスの拡大そのものではなく、デジタル化を通じて社会課題の解決に貢献することです。企業間取引のデジタル化は、ペーパーレス化による環境負荷の低減だけでなく、人手不足への対応や生産性向上にも寄与します。企業の皆様は、日々の煩雑な事務作業から解放され、本来注力すべき業務へ時間や人材を振り向けることができます。これから働き手不足がさらに深刻化していく社会において、この「時間の創出」は大きな社会的価値を持つと考えています。
また、当社のプラットフォームでは原本データを当社環境内に「1つだけ」、改ざんできない形で保管しています。利用者はその原本を参照する仕組みであるため、取引の透明性や信頼性を高いレベルで担保できます。こうした取り組みは単なる業務効率化にとどまらず、公正で安心できる企業活動の基盤づくりにもつながっています。
環境負荷削減に対する取り組み
当社は、自社の事業成長が社会のカーボンニュートラルの推進に着実に貢献していると考えています。
企業間取引のデジタル化によって、帳票の印刷や保管、輸送に伴うエネルギー消費を削減し、社会全体の環境負荷低減につなげています。また、社会に貢献する立場として、自社の事業活動に伴う環境負荷をゼロに近づけることは当然の責務です。当社では、Scope1・Scope2の削減に加え、2040年のScope3ネットゼロ実現に向けた取り組みを進めています。
事業規模や社会への影響が大きくなるほど、当社にはより丁寧な説明責任が求められます。今後の取り組みへの考え方や進捗についても開示していきます。こうした透明性の向上は、国際的な枠組みや外部評価への対応においても重要であり、今後も着実に取り組みを進めてまいります。
AI活用に際しての責任とガバナンス
プラットフォームが社会インフラとしての重みを増す中、企業間取引の過程で蓄積される膨大な商取引データをAIを活用し、有用な情報として提供していくことは、当社の重要な使命の一つであると考えています。長年にわたるサービスの提供を通じて日々蓄積されてきたデータは、金額の動きにとどまらず、取引明細にいたるまで細かく構造化されていることが大きな特徴です。これらの長期間にわたる貴重なデータを適切に活かすことで、日々の確かな意思決定支援や業務効率、新たな価値の創出につなげていきたいと考えています。
一方で、強力なテクノロジーであればあるほど、それを扱う側には高い倫理観と知性が求められます。当社はAIやデータ活用を単なる効率化の手段とは考えていません。AIやデータ利活用は性急に進めればよいものではなく、法的な論点も含めて専門家と相談しながら着実に進めるべきものだと考えています。社会やお客様からの信頼を大切にしながら、新しい技術を取り入れていきます。
また当社では、研究者や有識者との対話を継続的に行っています。技術そのものだけではなく、テクノロジーが社会に与える影響や倫理的な課題についても議論を重ねることで、より責任ある活用のあり方を模索しています。さらに、情報管理とプライバシー保護は当社の最重要課題です。高度なセキュリティ体制の維持はもちろんのこと、AI利用ガイドラインの整備や社内教育を通じて、安全性と利便性を両立したデータ活用を推進しています。技術の進化と社会からの信頼。その両方を大切にしながら、責任あるデジタル基盤としての役割を果たしてまいります。
事業の基盤を支える人材への投資を重視
どれほど優れたサービスやテクノロジーを持っていても、それを生み出し、お客様に価値として届けるのは「人」です。当社は人材を最も重要な経営資本の一つと位置付けています。企業の持続的な成長は、社員一人ひとりが安心して働き、成長し続けられる環境の上に成り立つものだと考えています。そのため、社員に「この会社で長く働きたい」と思ってもらえる環境づくりを重要な経営課題として取り組んでいます。
当社の事業はシステムを中心としたサービスですが、単に機能を提供すれば選ばれるものではありません。お客様の課題や悩みに向き合い、業界や企業の状況を理解しながら価値を伝えていく力が必要になります。その力を支えるのが社員一人ひとりであり、社員の成長がそのまま企業価値の向上につながると考えています。そのため当社では、研修制度の充実、自律的なキャリア形成支援、育児・介護との両立支援、女性活躍推進、障がい者雇用など、多様な人材が活躍できる環境づくりを進めています。
また2026年には「人権基本方針」を策定しました。差別やハラスメントの防止、プライバシーの尊重、強制労働の排除など、自社内にとどまらず、サプライチェーンを含む事業活動全体で人権侵害を防ぐことを目指しています。一方で、制度を整えるだけでは十分ではありません。当社が大切にしているのは、誰もが心理的安全性を持って挑戦できる組織づくりです。新しい価値は、失敗を恐れず挑戦できる環境から生まれます。心理的安全性は、一度整えれば終わりではありません。時代とともに価値観や働き方が変化する中で、「これをやっておけば大丈夫」という正解も変わり続けています。その時々の環境変化や現場の声を踏まえながら、継続的に見直し、厚みを持たせていくことが重要です。当社は、社員が安心して働けることと、新たな挑戦に踏み出せることの両方が実現して初めて、本当の意味で成長できる組織になると考えています。社員一人ひとりが自ら考え、行動し、挑戦できること。そして、その考えに耳を傾け、挑戦を周囲が支え合えること。そのような企業文化を育てていくことこそが、インフォマートの持続的な成長を支える原動力になると考えています。
中期経営計画最終年度の集大成と次期中計への展望
2026年度は、現行中期経営計画の最終年度となります。
5年前に策定した中期経営計画において、当社は企業間取引のデジタル化を中核に据え、事業基盤の強化と成長投資を進めてきました。この5年間で社会環境は大きく変化しました。AIの急速な進化をはじめ、当時想定していなかった変化も数多く起きています。しかし、そのような環境変化の中でも、「企業間取引のデジタル化を通じて社会に価値を提供する」という軸は変わることなく歩み続けてくることができました。今年は、その成果を問われる一年になります。一方で、当社の挑戦はここで終わりではありません。企業間取引がデジタル化されることで、社会全体の生産性向上や働き方改革につながる大きな可能性があると考えています。
次期中期経営計画では、これまでの企業間取引の基盤をさらに広げ、見積もりから発注、決済にいたるまで、一連の取引プロセスをより便利に完結できる仕組みへと進化させることで、取引プロセス全体をデータと業務が一体でつながる形へと強化します。
そして、提供サービスにさらなる深みを持たせ、お客様それぞれの細かな悩みやニーズの違いにまで目を配り、サービスを磨き、パートナーとの協創を通じて、新たな業界や地域へ広げていきます。
当社は単なるシステム会社ではなく、それぞれの業界の一員として課題解決に取り組む存在でありたいと考えています。社会や企業を取り巻く環境が大きく変化する時代だからこそ、変わらず信頼を基盤に据え、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。ステークホルダーの皆様の期待に応え続けられる企業であるために、私自身が先頭に立ち、挑戦を続けてまいります。今後とも変わらぬご支援、ご期待を賜りますようお願い申し上げます。