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2008.04.22
メディア掲載

〔Forbes日本版 6月号〕 【地域経済】自治体、地銀などがネット取引で地場産品を掘り起こし

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〔Forbes日本版 6月号〕 【地域経済】自治体、地銀などがネット取引で地場産品を掘り起こし 2008年4月22日発行

 サイト運営会社と自治体、地銀が提携して、地域の食品関連産品を売買できる企業間サイトが設立されている。「食材甲子園」というサイトで、食品業界の企業間取引サイトとしては国内最大の「フーズ・インフォマート」の食品食材市場(約5000社が参加)をベースとした、都道府県産品を取り扱う企業間市場。現在、30道府県のページがあり、約600社(3月時点)の企業が登録。掲載されている地域産品数は青果物、水産物、加工品など約1万4000以上に上る。
 運営者は「インフォマート」(東証マザーズ上場)で、06年から「食材甲子園」を開始している。同社の村上勝照社長は、「自治体から地域産品を全国ネットで販売したい、という問い合わせがあったのがきっかけで、地域活性化を後押しするような全国版の企業間サイトを作りたいと考えた」と話す。
 会員募集は自治体や地銀が担っており、各県で「説明会」を開催して登録企業を集め、インフォマートに紹介している。登録料は「売り手」が月25000円、「買い手」は月5000円。売り手には生産者、食品メーカーなど、買い手には外食チェーン、卸・仲買、レストラン、スーパーなどが登録されている。村上社長は、「東京にいてはなかなか地方の食材まで目が届かないという現状がある。そこで地方自治体や地銀に協力してもらい、地域の食材や事業者に関する情報をいただいたり、地元の企業を呼びこんでいただいています。東京からは見えてこない地元ならでの食材を知ることができることが提携した最大のメリットだと考えている」と話す。

自治体が地元企業の登録をバックアップ

 青森県では06~07年度の2年間、県内企業の食材甲子園への登録支援を予算化した。青森県農林水産部総合販売戦略課の長谷川健氏は、「企業を募集して、その企業が販売力があるのか、経営者に売る気があるのか、商品が安全・安心かなどを審査したうえで、2年間で合計37社の登録料の一部を補助した。県内企業には、営業分野での人材・資金不足のほか、大消費地から遠いこともあって大手企業などのバイヤーとの接点がないという事情がある。またIT化が遅れている企業も多い。そこで新規顧客開拓につながる支援として実施した」と説明する。

マッチング効果を期待する地銀

 南都銀行は、昨年10月に奈良県版のページを設置した。同行では「取引先の新規顧客開拓のための提案や情報提供など金融以外のサービスが増えているが、3年ぐらい前からアグリビジネスに力を入れるようになり、食を通じて地域を活性化したいと考えた。地域商品を売り込むには県単位でのPRが効果的。全国のバイヤーとのマッチングを期待したい」(同行バリュー課)と話す。
 さてこのサイト、地方に埋もれがちなビジネスの種をなかなか把握できないサイト運営会社が、地域産品を全国に売り込みたいという地方のニーズをうまくくみ取ったかっこうで、地方にとっては地場産品の新たな発信ツールになったことは間違いない。今後は、地域間の発信力競争に注目だ。

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