6割超の企業が手作業で請求書を転記 建設業界のバックオフィス業務、紙文化が根強く残る現状が浮き彫りに
デジタルの力であらゆる業務を効率化する株式会社インフォマート(本社:東京都港区 代表取締役社長:中島 健、以下「当社」)は、建設業に従事している20代から60代の会社員362名に、2024年4月に適用される「残業上限規制」や日々の業務に関する調査を実施しましたので、結果をお知らせします。
調査概要
調査対象:現在「建設業」に従事している20代~60代の会社員362名
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年4月18日~4月19日
回答者 :362名
調査サマリー
・約4割が請求書の受け渡しを「紙で行っている」と回答
・各種書類のシステムへの転記方法「Excelやスプレッドシートから」が最多。
手作業での転記が最も多い書類は請求書で6割以上に
・営業担当者の3割が「書類のやり取りのための移動」に1日3時間以上費やす
・2024年4月からの「残業上限規制」について、約半数が「知らない」と回答
約4割が請求書の受け渡しを「紙で行っている」と回答
各種書類(発注書・契約書・請求書・図面等)の受け渡し方法について聞いたところ(n=362)、「紙で行っている」と回答した割合が約3割で最多となりました。次いで、「Excelやスプレッドシートで行っている」と約2割が回答しています。特に、請求書に関しては37.8%が「紙で行っている」と回答し、全ての書類の中でトップとなりました。
各種書類のシステムへの転記方法「Excelやスプレッドシートから」が最多。
手作業での転記が最も多い書類は請求書で6割以上に
各種書類のデータをシステムへ転記する方法について聞いてみると(n=362)、「Excelやスプレッドシートから転記している」が最多となりました。次いで、「紙から手作業で転記している」、「PDFの情報を見ながら手作業で転記している」が続き、書類の種類に限らず手作業による転記作業が多い実態が明らかになりました。書類別に見ると、手作業による転記作業で最も多いのが請求書で、6割以上となりました。
営業担当者の3割が「書類のやり取りのための移動」に1日3時間以上費やす
各種業務に対して1日に費やす時間について聞いてみると(n=362)、かける時間が多い順に「図面や報告書の作成(38.1%)」、「現場と事務所間での書類のやり取りのための移動(31.8%)」、「各種書類データのシステムへの転記(30.7%)」という結果になりました。
また、職種別に見てみると、28.6%の営業担当者が「現場と事務所間での書類のやり取りのための移動」に3時間以上費やしていると回答し、紙が故の無駄な移動時間が発生している実態が明らかになりました。
2024年4月からの「残業上限規制」について、約半数が「知らない」と回答
2024年4月から建設業でも適用される「残業上限規制(時間外労働の上限規制)」の認知度について聞いてみると(n=362)、「知っていて、他の人に説明できる」と回答した人は9.7%と1割に満たない結果となりました。その他「知っているが、説明できるほどではない(40.9%)」「知らない(49.4%)」と、制度の認知は半数に留まる結果となりました。
また、職種別では、経営者・役員が71.4%、施工管理者の76.5%が「知っている」、事務員の58.3%が「知らない」と回答し、職種ごとにばらつきが見られました。
建設ITジャーナリスト 家入 龍太氏より
コロナ禍を経て建設業界も、遠隔臨場やIT重説等をはじめとしたデジタル化が進みました。しかしながら裏方であるバックオフィスにはまだ紙の文化が残っています。「移動のムダ」だけではなく、「ひと手間のムダ」、「物を探すムダ」を合わせた3つの無駄を解消することで、建設DXはもう一歩先へ進むでしょう。
まとめ
今回の調査結果では、建設業において各種書類の受け渡しに紙を使う割合が最も多いことがわかり、紙文化が根強く残る現状が浮き彫りとなりました。また、システムへの転記作業に関しては、Excelやスプレッドシートからの転記が最も多い結果となりました。その中でも請求書を手作業で転記する割合が約6割と最も高いことが分かりました。
厳密に考えると、手作業を要する「転記」を介した業務は「デジタル化」しているとは言えません。請求書業務を例に取り上げると、今年10月よりインボイス制度が施行されます。制度の開始により、インボイス(適格請求書)の発行、取引先から届く請求書・領収書のインボイス対応状況の確認や、会計システムへの入力作業の増大等、紙や手作業を要する業務は、負荷が高まることが予想されます。
それに加え、2024年4月から「残業上限規制」が建設業でも適用されます。原則として時間外労働の上限を「月45時間以内かつ年360時間以内」に収める必要があります。対策として、まずは残業時間の削減や、週休2日制の導入で労働環境を整備することが重要です。その上で業務のデジタル化も進めると、ペーパーレス化、リモート作業、工数の削減等の効果が見込めます。ミスをなくして業務の品質向上と効率化を実現し、本格的な働き方改革に取り組むには、すべての書類を一元管理し、デジタル化できるツールが効果的です。
より詳細のレポートダウンロードはこちら
URL:https://lp.infomart.co.jp/20230615_TRADE_kensetureport
建設業界の業務課題を解決する特設サイトを公開
2024年問題とも呼ばれる「働き方改革関連法」の適用や、インボイス制度や電子帳簿保存法の改正に伴う「デジタル化」。大きな変革が求められる建設業界の企業の課題を解決すべく、特設サイトを公開しました。
URL:https://www.infomart.co.jp/trade/construction/index.asp
■ インフォマートについて
1998年の創業以来、企業間取引における請求・受発注等の業務効率化を実現するクラウドサービスを提供・運営しています。主力サービスの「BtoBプラットフォーム」は、88万社以上が利用。プラットフォーム内の総流通金額は年間30兆円以上。
会社名:株式会社インフォマート(東証プライム市場:2492)
代表者:代表取締役社長 中島 健
本社所在地:東京都港区海岸1-2-3 汐留芝離宮ビルディング13階
設立:1998年2月13日
資本金:32億1,251万円
事業内容:BtoB(企業間電子商取引)プラットフォームの運営
従業員数:721名(2023年3月末現在)
URL:https://corp.infomart.co.jp/
タグライン「しごと、スマート。インフォマート」について
インフォマートは2023年、創業25周年を機にコーポレートブランドを刷新しました。インフォマートの新しいタグライン「しごと、スマート。インフォマート」には、デジタル化による効率化やコストカットの先にある、働くひとが自分らしく、新しい価値を創造していく社会を支えていきたいという想いがこめられています。
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