【物流業界の法改正とDXに関する実態調査】ドライバー不足とコスト増に直面する物流業界 3割強が「法改正対応に苦慮」、DX推進の遅れが鮮明に
デジタルの力であらゆる業務を効率化する株式会社インフォマート(本社:東京都港区 代表取締役社長:中島 健、以下「当社」)は、物流業界および荷主企業(製造業・卸売業・小売業・飲食業・建設業・不動産業・医療業)に勤務する会社員、それぞれ180名を対象に、物流業界の法改正とDXに関する実態調査を実施しましたので、その結果をお知らせします。

■ 調査結果サマリ
物流業
・物流関連法改正による課題は「ドライバー不足」と「コスト増」
・法改正や物流業界の課題に対して3割強が「特に対応していない」
・物流のDX・デジタル化が進まない要因はコスト・人材と「紙・FAX・電話への依存」
・「ドライバーの労働時間や休息時間」はデータ化が進むも、「荷待ち・荷役時間」や
「積載率・効率指標」はデータ化に遅れ
荷主企業
・荷主が感じる課題は「運賃・物流コストの上昇」「契約書対応」
・物流関連の法改正で荷主側は「物流コストの見える化・適正化」に期待
・DX・デジタル化が進まない理由は「コスト」「部署間連携」
・荷主側が注力したいDX・デジタル化領域は「契約書デジタル化」「発注書デジタル化」
■ 調査概要
調査対象
物流業 :事前調査にて、メーカー系物流会社/商社系物流会社/独立系物流会社/倉庫業
と回答した20代~50代の会社員
荷主企業:事前調査にて、現在の職種が経理・財務/購買・調達・生産管理/物流・ロジスティクス/
DX推進・デジタル化推進、かつ製造業/卸売業/小売業/飲食業/建設業/不動産業/医療業
と回答した20代~50代の会社員
調査方法:インターネットリサーチ
調査内容:物流業界の法改正とDXに関する実態調査
調査期間:2025年10月29日(水)~11月1日(土)
回答者:物流業、荷主企業それぞれ180名
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構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計した数字が100%にならない場合があります。
■ 調査結果
物流業への調査結果
・法改正や物流業界の課題に対して3割強が「特に対応していない」
物流業界が抱える課題や法改正に対して、勤務先では現在どのような対応を進めているか聞いたところ(n=180)、32.2%が「特に対応していない」と回答しました。
従業員規模別でみると、50名未満の企業では「特に対応していない」が半数を超えた上、300名以上が在籍する企業であっても約3割が「特に対応していない」と回答しました。さらに、1,000名以上となる大企業でも「DX・デジタルツール導入」は10.2%にとどまり、物流業のDX・デジタル推進の遅れが鮮明になりました。

・導入しているデジタルツールは「勤怠・労務管理」「車両管理システム」「請求書デジタル化」などバックオフィス系が比較的浸透
現在、勤務先で活用・検討しているデジタルツールを聞いたところ(n=180)、48.3%が「特に導入していない」と回答した一方、導入されているツールでもっとも多かったのは「勤怠・労務管理」で29.4%、次いで「車両管理システム」が17.2%、「請求書デジタル化」が14.4%となりました。

・「ドライバーの労働時間や休息時間」はデータ化が進むも、「荷待ち・荷役時間」や「積載率・効率指標」はデータ化に遅れ
現在、勤務先において把握・管理できているデータを聞いたところ(n=180)、「ドライバーの労働時間や休息時間」が41.1%と最多となり、2024年の働き方改革によってデータ化が進んだと推測されます。一方で、2025年の法改正により可視化・管理が求められる「荷待ち・荷役時間」は18.9%、「積載率・効率指標」は12.8%といずれも2割以下にとどまり、データ化が遅れていることが判明しました。

荷主企業への調査結果
・荷主が感じる課題は「運賃・物流コストの上昇」「契約書対応」
物流関連法改正において、荷主企業が感じている課題を聞いたところ(n=180)、最多となったのは「運賃・物流コストの上昇が避けられない」で38.9%、次いで「契約書対応(書面交付・契約内容の明確化)が増える」で27.8%となりました。「契約書対応(書面交付・契約内容の明確化)が増える」ことが課題と感じている割合は、業種別では最多の飲食業が41.7%、次いで建設業が30.0%と比較的高くなりました。多店舗展開する飲食業や、下請け構造が重層的な建設業では、取引先数が多く契約管理が煩雑になりがちなため、デジタル化への課題感やニーズが特に強く表れていると考えられます。

・物流関連の法改正で荷主側は「物流コストの見える化・適正化」に期待
物流関連法改正によって、勤務先でどのような効果が期待できる(効果が出ている)と感じているかを荷主側に聞いたところ(n=180)、最多が「物流コストの見える化・適正化」で26.1%、次いで「サプライチェーン全体の標準化・DXの促進」が23.3%、そして「荷待ち・荷役の削減による全体効率化」が22.2%と続きました。

物流業界・荷主企業双方への調査結果
・DX・デジタル化が進まない要因は「コスト」や「紙・FAX・電話への依存」
物流企業に勤務し、勤務先で「DX・デジタル化が進まない」、または「進みにくい」と回答した方にその理由を聞いたところ(n=125、「特に課題はない」と回答した方を除外)、「投資余力がない」が35.2%で最多、「IT人材がいない」が32.0%、「紙やFAX、電話に依存している」が28.8%となり、物流業ではいまだ紙やFAX、電話といったアナログな手法が商取引の主要ツールとなっていることが明らかになりました。
また、「どのツールを選べばよいかわからない」が24.0%、「使用するツールが乱立している(荷主によってバラバラ)」が22.4%となり、デジタルツールの乱立もDX・デジタル化の推進を阻害する一因となっていることも判明しました。
一方、荷主企業に勤務し、勤務先で「DX・デジタル化が進まない」、または進みにくいと回答した方にその理由を聞いたところ(n=143、「特に課題はない」と回答された方を除外)、最多は「投資コストが高い」で31.5%、次いで「部署間の連携がとれない」が29.4%となりました。

■ まとめ
今回の調査では、物流業では2024年から始まった法改正を機に「ドライバー不足」と「コスト増」が深刻化している一方で、物流業界が抱える課題に対して3割強が「特に対応していない」と回答しました。紙や口頭に依存した商習慣が影響し、物流業界のDX・デジタル化は大きく遅れていることも明らかとなりました。一方、荷主側もDX・デジタル化の推進に伴うコスト増に課題を抱えています。さらに、2025年の法改正に伴う契約書の書面交付義務化による「契約書対応」の負担も顕在化しました。
物流業界は、荷主企業も巻き込んだ構造改革が求められています。物流の輸送機能の維持・向上と、魅力的な職場環境の構築を実現するためには、「効率化」が不可欠なテーマです。この効率化を進めるためには、まず現状の正確な可視化が大前提となります。データ化・可視化によって、コストの適正化やサプライチェーン全体のDX推進もしやすくなると考えられます。
当社は今後も帳票業務のデジタル化を通して、経営の高度化に貢献してまいります。
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■ サービス概要
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「BtoBプラットフォーム」は、企業間の商取引をデジタル化することで業務効率化、コスト削減、ペーパーレスを実現するクラウドサービスです。
商談・受発注・規格書・請求書・業界チャネル・見積書・契約書・TRADEの8つのシリーズからなり、2025年12月現在、120万社を超える企業が利用。プラットフォーム内の総流通金額は年間62兆円以上。
URL:https://corp.infomart.co.jp/business/
■ インフォマートについて
1998年の創業以来、企業間取引における請求・受発注等の業務効率化を実現するクラウドサービスを提供・運営しています。
会社名:株式会社インフォマート(東証プライム市場:2492)
代表者:代表取締役社長 中島 健
代表取締役副社長 木村 慎
本社所在地:東京都港区海岸1-2-3 汐留芝離宮ビルディング13階
設立:1998年2月13日
資本金:32億1,251万円(2025年9月末現在)
事業内容:BtoB(企業間電子商取引)プラットフォームの運営
従業員数:809名(連結)、782名(単体)(2025年9月末現在)
URL:https://corp.infomart.co.jp/