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2010.09.27
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〔日本食糧新聞 3面〕 商品管理システムの標準へ インフォマート 複数企業で活用可

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〔日本食糧新聞〕 商品管理システムの標準へ インフォマート 複数企業で活用可 2010年09月27日発行/3面

 正確な表示にするには、商品規格書(商品カルテ)がより正確でなければならない。食品業界の電子商取引基盤づくりと運用でビジネスを展開するインフォマート社は、商品カルテをコンピューターと通信を使ってASP規格書システムを2005年から運用を開始した。このシステムは外食、中食、給食などの企業を中心に77社が利用し、データを入力している食品メーカーを含めると3000社以上が活用している。データベース化している商品カルテは約15万アイテムと非常に多い。このシステムでは、外食企業などの要求をまとめた網羅すべき項目の統一化ができている。インフォマートは利用する外食産業の数を増やし、事実上の標準(デファクトスタンダード)を目指す。

 ASP規格書システムは食品メーカーなどが入力した商品カルテのデータを蓄積し、必要に応じて外食企業などがそのデータを取り出せるシステム。外食企業などはソフトウェアを購入するのではなく、インターネットを介してインフォマート社が運営するサーバーを活用する。食品メーカーなどはインターネットで接続してそのまま入力することも可能だが、自社内の商品カルテ管理にエクセル、メリクリウスなどのソフトウェアを使っていても、データを汎用性のあるファイル形式であるCSV形式に変換すればデータをサーバーにアップロードできる。

 外食企業にとっては、個々の商品カルテを紙で保存しなくても良く、事故などがあった場合に迅速に検索がかけられる。また、食品メーカーにとっては、基本となる商品カルテを用意しておけば各外食企業向けに用意する商品カルテが減っていく。食品メーカーの入力ミス、入力洩れなどをチェックし、その修正状況の把握もでき、外食企業が商品カルテの間違いを指摘しても食品メーカーがなかなか対応しない場合などに効果を発揮する。

 外食企業などの利用料金は1ヵ月当たり3万円からで、ソフトウェアを購入し、メンテナンスのコストなども考えると高いとはいえないが、それでも利用者は中堅以上の規模の企業に限定されてくる。インフォマートは年商100億円以上の外食企業を中心に営業展開し、それ以下でも社会的責任に敏感な企業なども狙うという。小売業に対しても意欲はあるが、小売業は取り扱いアイテム数が多いため、まず外食企業を中心に地歩固めを進めていく。

 複数の企業が利用するシステムで問題になるのは、ある外食企業が使っている商品カルテを他の企業が閲覧できないようにする秘密保持機能と、網羅すべき項目とその意味(定義)などだ。前者は外食企業が自社で扱っている商品以外を閲覧できないようにするなどコンピューター上で処理できるが、後者はコンピューターを使う以前の準備段階の課題だ。

 インフォマート社はシステムを立ち上げる前の04年に外食企業、食品メーカーなどともに食品業界トレーサビリティ協議会を設立し、網羅すべき250項目を決めた。JAS法や食品衛生法が求めるアレルギー物質、遺伝子組み換えの有無、製造工程、検査結果、検査のためのサンプルの選び方などが含まれた。アレルギー物質では食衛法などが求めている項目以外のごまも記入できる。250項目は全体の数で、同じような製品でも外食企業によって入力すべき項目は異なる。また、協議会での実際の検討では、食品メーカーの死活問題に関わるNB商品の製造工程表について「異物混入の可能性の有無を知りたい」と外食企業の意図まで引き出して調整したという。

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