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2009.09.04
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〔HOTERES 40頁〕 商談・受発注・規格書システム 業界プラットフォームで情報共有

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〔HOTERES〕 商談・受発注・規格書システム 業界プラットフォームで情報共有
2009年9月04日発行/40頁

取引先のネットワーク拡大でお客さまの満足度を上げる

 (株)インフォマートの「FOODS Info Mart」は、1998年に立ち上げた「ASP商談システム」に始まり、2003年に「ASP受発注システム」、05年には「ASP規格書システム」を加え、より貢献できる形を追求し続けてきた。今では09年6月末現在で約1万9500社の企業が利用する、フード業界BtoBプラットフォームとなっている。システムを導入している買い手企業の中には飲食店・レストラン、給食企業のほか、一部ホテルも入っている。売り手企業は、食材はもちろん、資材やアメニティを取り扱う卸企業が中心だ。

 「ASP商談システム」は、いわば売り手と買い手のお見合いの場。マッチング型のマーケットプレイスであり、社内・取引先・業界内で情報共有できる。

 必要な食材を探したいとき、複数の企業の情報を比較検討すれば、価格・品質ともによりよいものを仕入れることができる。また、例えば山間部にある旅館が新鮮な海の幸を手に入れたければ、全国に広がるネットワークを使って、季節に応じてさまざまなエリアから直送してもらうことも可能だ。

 この場合、コストは上がるだろうが、同時にお客さまの満足度も上がることになるだろう。産地ならではの食べ方など、付加価値のある新しい情報も、同時に得ることができるかもしれない。購買業務の効率化とともに、購買・販売業務の強化にもつながるシステムと言えるだろう。

パフォーマンスの高い効率化は業界標準のシステムづくりから

 「ASP受発注システム」は、毎日の受発注業務を効率化することで、コスト削減を実現する。外食・給食・ホテル・食品製造業605社・1万3312店舗、取引先の卸・メーカーなど1万4478社が利用中で、月間の受発注金額は387億円となっている(09年6月末現在)。

 購買の透明化、スリム化を推進するために役立つこうしたシステムは、経営陣にとっても現場のスタッフにとっても、時代に合った経営改革・業務改革を図っていくために必要なルールと考えられるだろう。

 システムを利用する企業が多ければ多いほど、受発注業務の効率が高まることから、インフォマートではシステム利用企業の卸を中心に約60社ある「アライアンスパートナー企業」の協力を得る形で、「ASP受発注システム」を業界スタンダードにするための活動を続けている。08年の実績を見ても、新規導入企業の約40%が、アライアンスパートナー企業からの紹介によるものだという。

 より高いパフォーマンスの効率化を求める場合、業界全体のパワーをまとめる形で取り組みを推進する方向性も、一つの可能性として考えていく必要がありそうだ。

ルールにのっとったシステム運用が重要

 「ASP規格書システム」は、食の安心・安全に対応する確認業務のデータ化を実現するリスク管理のための仕組みだ。消費者に対する安心・安全の強化をどこまで図っているのか目に見える形で管理することで、常に根拠のある説明ができる体制を整えておく。

 フォーマットに用意された約300項目の内容は、加工食品の原料原産地、製造工程、栄養成分、アレルギー情報など多岐にわたる。それらをデータベース化することで、お客さまの問い合わせに対して明確に回答できる仕組みを作り上げることができるのだ。「こうしたシステムを活用するためには、自社がどこまで管理しようとしているのかを明確にする必要があると思います」と、(株)インフォマート経営企画部部長の櫻井サチコ氏は言う。

 「システムはルールにのっとって運用するべきです。例えば、7日以内に情報を届けると決めたら、どんなに忙しくても徹底する。その意識がなければ、何のために導入したのか分からなくなってしまうでしょう。まず、経営者の意思が問われる部分かもしれません」

オンリーワンの追求はブランドやサービスで

 システム導入・運用についてのコストパフォーマンスの高さも、「FOODS Info Mart」の特長と言えるようだ。

 櫻井氏は言う。「厳しい時代だからこそ、できる限り安価な料金で提供している『FOODS Info Mart』が支持されている面もあると思います。言うまでもなく、導入企業によってシステム自体はメインではありません。お客さまに提供するサービスにどれだけ人材や経費がかけられるかが重要であり、システムは安ければ安い方がいいはずです。やはりオリジナルの自社システムにコストをかけるより、業界共通のシステムを使った方が、かなり効率的だと考えます」

 オリジナル、オンリーワンは、それぞれの企業がブランドやサービスで追求すればいい。その部分に人と金をかけ、一人でも多くのお客さまに喜んでもらえるものを世の中に提案していく。その流れを拡大するためにも、システムや情報は共有化する。システムや情報をどのように使いこなし、お客さまサービスに生かしていくかが競争のステージで問われることになるわけだ。

 「FOODS Info Mart」では、三つのシステムに関する多数の活用事例をウェブサイトに掲載している。そこでは企業規模の大小に関係なく、各社が具体的な数字としてコスト削減や効率化を達成していることが分かる。システムをどのように活用していくのか。経営者はもちろん、それぞれの現場で働く人たちも、今そのことが強く問われている。