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スキャナ保存制度の把握は紙書類電子化の第一歩、その重要性を解説

電子帳簿保存法は、企業が紙書類の電子化を進めていくうえで非常に重要な意味を持つ法律のひとつ。特に経理担当者は、業務効率化を実現するためにもしっかりと内容を把握しておく必要があるでしょう。 ここでは証憑書類の電子化に欠かせないスキャナ保存制度について、概要や重要性、利用によって得られるメリットなどをお伝えします。

スキャナ保存制度の把握は紙書類電子化の第一歩、その重要性を解説

最終更新日:2021 年3月24 日

目次

電子帳簿保存法におけるスキャナ保存制度とは?

そもそも電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、電磁的記録といった形によって帳簿書類の保存を認める法律で、1998年に施行されました。記録段階からパソコンを使って処理された帳簿書類について、印刷せずとも電子データといった形で保存できるため、経理担当者の負担軽減にも大きく貢献します。

※電子帳簿保存法の詳しい内容に関しては、こちらをご参照ください。
電子帳簿保存法とは?対象書類・保存方法から導入時の疑問を解説

スキャナ保存制度とは?

スキャナ保存制度は、1998年に初めて電子帳簿保存法が施行された時点ではまだ導入されていませんでした。しかし、その後の改正により導入や規制緩和が行われ、現在に至っています。その主な流れは次のとおりです。

・2005年の改正
2005年、法律で保管が義務付けられている文書や帳簿、請求書などを電子化した文書ファイルで保存を認めるe-文書法が施行。これに伴い電子帳簿保存法の改正が行われ、スキャナによる電磁的記録の保存が可能になりました。これがスキャナ保存制度の始まりです。

この改正によりスキャナ保存が可能になった主な紙書類は、「注文書」「請求書」「納品書」「発注書」「見積書」などのほか、契約書と領収書そしてそれらの写しです。

ただし、この時点では、契約書と領収書は3万円未満のものに限定されていました。また、電子署名やカラーでのスキャンが必要など適用の要件も厳しかったため、この時点ではスキャナ保存は実務に沿ったものではなかったようです。

・2015年の改正
それから10年後、2015年の電子帳簿保存法改正によりスキャナ保存の規制が緩和。「契約書と領収書は3万円の上限撤廃」「電子署名の廃止」「重要書類外であれば白黒でも保存可能」など、多くの企業でスキャナ保存が実施されるきっかけとなりました。

ただし、「相互けんせい(ひとりに任せるのではなく、複数名で手分けして事務を進めてお互いにけんせいできる状態)」「定期的なチェック(最低1年に1回以上)」「再発防止策(問題が生じた際、原因を見つけ解決に向けて見直しを進める環境づくり)」といった適正事務処理要件を満たすことが要件として追加されています。

・2016年の改正
2015年の改正からわずか1年後の2016年にもまた、改正がありました。この改正で変更があったのは次の3点です。

1.「国税関係書類の作成又は受領後、受領者等が署名を行った上で、特に速やか(3日以内)にタイムスタンプを付す」「A4以下の大きさの国税関係書類については、大きさに関する情報の保存を要しない」「相互けんせい要件について、受領者等以外の者が記録事項の確認(必要に応じて原本の提出を求めることを含む。)を行うこととすることで足りる。」

2.「小規模企業者(中小企業基本法第2条第5項に規定する小規模企業者をいいます。以下同様となります。)である場合、いわゆる「適正事務処理要件」について、税務代理人が定期的な検査を行うことによって、相互けんせい要件が不要とされたこと。」

3.「スキャナについて、原稿台と一体型に限るとする要件が廃止されたこと。」
引用:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07scan/01.htm#a001

・2020年の改正
2019年9月30日以降に適用届出書を提出して一定の条件を満たせば、承認を受ける前に作成もしくは受領した重要書類についても、スキャナ保存が可能になりました。


スキャナ保存制度の適用で得られるメリット

電子帳簿保存法の改正が行われるたびに、スキャナ保存制度の規制が緩和されています。それは経理部門をはじめ、企業にさまざまなメリットをもたらしているのです。

・経理業務の効率化
前項でも、経理担当者が紙の領収書をまとめてスキャンする必要がなくなるといったメリットを紹介しました。しかしスキャン保存制度の適用による経理業務の効率化は、それだけではありません。

たとえば、以前は監査を行う際、伝票や元帳を監査した後に証憑を探す作業がありました。しかし、スキャン保存制度の導入後は、証憑と帳簿が紐付けされたため、仕訳と証憑が同時に確認できるようになります。これにより、監査にかかる時間が大幅に削減されるのです。

・柔軟なオフィスの活用
領収書や請求書、契約書などをスキャンして電子保存できるようになれば、紙書類を保管しておく書庫を設置する必要がなくなります。

現在、多くの企業でテレワークの導入が進んでいるでしょう。しかしオフィスに出社する人数が減っても書庫があれば思い切った省スペース化は困難です。そこで書庫を減らせれば、省スペース化を進めたり空いたスペースにミーティングスペースを設置したりと新しいオフィスの活用が可能になります。

・コスト削減
スキャナ保存制度で紙書類の保管コスト削減が実現するのはもちろん、印刷や廃棄にかかるコストも削減できるのです。もし、全国に支社があるような企業であれば、紙の書類を本社に郵送・輸送するコストも削減できるでしょう。


スキャナ保存制度の適用に必要な要件

メリットが多いスキャナ保存制度を適用するには、真実性や可視性を確保するため、次のような要件を満たす必要があります。

「スキャナもしくはスマートフォンデジタルカメラで解像度が200dpi相当以上」「画像は赤・緑および青の階調がそれぞれ256階調以上(白黒階調でも可)」などです。そのほか機能として、「検索機能の確保」「タイムスタンプの付与」「整然・明瞭出力」なども必須となります。

スキャナに関しては、日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の認証を受けたスキャナの利用が推奨されているのです。また、スキャナ以外に、「適正事務処理要件(決められた事項に関する規定を定めたうえで、事務処理を進める)」「税務署長の承認」なども要件に含まれています。


スキャナ保存制度を上手く使い、経理業務の効率化を

請求書や領収書、契約書といった紙の証憑書類をスキャニングして保存するスキャナ保存制度。活用すれば、経理業務の効率化はもちろん、「オフィスの柔軟な活用」「紙書類の印刷・郵送・保管コスト削減」など、さまざまなメリットを享受できるでしょう。

ただし、スキャナ保存制度の適用にはいくつかの要件を満たす必要があるため、内容をしっかりと把握しなければなりません。また、スキャン保存制度の適用と同時に請求業務の効率化も行うと、経理業務の効率化がさらに進むでしょう。

BtoBプラットフォーム請求書は、請求書の電子化を実現し、経理部門の業務効率化やテレワーク導入に大きく貢献します。オプション機能のAI-OCRでは、取引先から送られてくる紙やPDF形式の請求書を処理可能な電子データに変換したり仕訳作業を自動化できたりするため、入力作業を大幅に削減できるのです。

スキャナ保存制度を適用したうえでさらなる経理業務効率化の実現を目指す際は、ぜひ、BtoBプラットフォーム請求書の導入を検討してみてはいかがでしょう。

※本記事は更新日時点の情報に基づいています。法改正などにより情報が変更されている可能性があります。

監修者プロフィール

『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部

この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。

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