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軽減税率はいつまで?経理担当者が知っておくべき請求書の処理方法

2021/02/10
経理知識

 軽減税率はいつまで?経理担当者が知っておくべき請求書の処理方法

2019年10月1日、消費税率が8%から10%に引き上げられました。これに伴い日本は、初めての軽減税率を導入(8%)。そのため経理担当者は、軽減税率対象品目と非対象品目が混じった請求書の処理など手間が増えています。こうした軽減税率はいつまで続くのでしょうか。

今回は、軽減税率の概要を改めて確認したうえで、経理担当者が知っておくべき請求書の処理方法についてお伝えします。


改めて確認したい軽減税率の概要

改めて軽減税率とはどういったものなのか、対象となる品目やいつまで続くのかについて説明します。

・軽減税率制度の概要
消費税が8%から10%への引き上げにより、消費者の負担は大きく増加。この負担を緩和するため、日常的に購入するような特定の品目については消費税を引き上げず8%に据え置くのが、軽減税率です。

・対象品目
一般的な食品と酒類(みりん、調理酒も含む)を除く飲料水、週2回以上発行され定期購読される新聞が軽減税率の対象品目です。ただし保存用の氷や水道水、医薬品・医薬部外品のほか、コンビニやスーパーで販売されている新聞は、軽減税率の対象外になります。

食品に関しては、外食や出前、テイクアウトやケータリングなど方法によってそれぞれ軽減税率の対象か対象外なのか変わるのです。具体的には次のようになっています。

  軽減税率対象 軽減税率対象外
外食           
テイクアウト           
出前  
コンビニやスーパーのイートイン           
※持ち帰るつもりで購入したものでも、その後、イートインで飲食した場合、差額の2%を支払う必要があります。
ケータリング           
※ただし、学校給食や有料老人ホームなどで行う飲食料品の提供は軽減税率対象です。

・軽減税率はいつまで?

現時点で軽減税率の期限は決められていません。


新たな請求書等保存方式「区分記載請求書保存方式」とは?

軽減税率が導入され、ふたつの消費税率が混在するようになれば、経理担当者が抱える請求書作成の手間は確実に増加します。軽減税率の対象品目を扱っていなければ関係ないと思われるかもしれませんが、そうではありません。

休憩室に設置するお茶菓子やコーヒー、取引先に送る贈り物など、軽減税率対象の商品を購入する場面は多くあります。こうした2種類の消費税が混在する請求書作成の手間を軽減する目的で導入されたのが、「区分記載請求書保存方式」です。

区分記載請求書保存方式とは、それまでの「請求書等保存方式」を生かしつつ、軽減税率の対象品目と非対象品目を区分して記載する請求書のこと。記載事項は次のとおりです。

・発行者の氏名または名称
取引年月日
取引の内容
受領者の氏名または名称

ここまでは、従来の請求書でも記載が必須だった事項となります。区分記載請求書ではこれに次2点の記載事項が加わるのです。

・軽減税率の対象品目である旨を「※」といった印をつけて明記する
たとえば購入した商品名の前後に、分かりやすく「※」と記載します。そのうえで請求書のいずれかの場所に「『※』は軽減税率であることを示します」と「※」をつけた理由も記載するのです。
また「請求書を発行する側」「請求書を受け取る側」の双方で、取引を行った商品のどれが軽減税率対象品目かが分かるのであれば、適用税率ごとに請求書を分けても構いません。

・税率ごとに区分して合計した対価の額(税込み)
請求書の合計額の下部分に、「軽減税率対象品目の合計額」「軽減税率対象外金額の合計額」を記載します。なお請求書を受け取った際、区分記載請求書で新たに追加された2項目の記載がなかった場合、受領者は事実にもとづいて、請求書に追記しても構いません。


軽減税率導入後の消費税の計算方法

軽減税率の導入で経理担当者の手間が増えるもうひとつの業務が、消費税の計算です。計算の方法自体は従来と変わりません。10%の取引では総額に110分の10、8%の取引では108分の8を掛けて、売上にかかわる消費税額を計算するのです。

消費税額=売上税額(売上総額×110分の10または108分の8)―仕入税額(仕入総額×110分の10または108分の8)

税額計算の特例とは?

2020年10月1日以降は、先述した方法で消費税額を計算します。しかし、売上または仕入において、軽減税率と標準税率の区分が困難な課税売上高が5,000万円以下の課税事業者は、2023年9月30日までの間、準備期間として税額計算の特例が設けられているのです。

・ 売上税額計算の特例
軽減税率対象の売上税額(ア)=軽減税率対象の課税売上高(課税売上高×一定の割合(※))×108分の8

標準税率対象の売上税額(イ)=標準税率対象の課税売上高(課税売上高―軽減税率対象の課税売上高)×110分の10

売上税額=ア+イ

※一定の割合は、次の3通りになります。
1. 仕入を管理できる卸売事業者・小売事業者(例:仕入を行った商品をそのまま販売するような事業者)
小売等軽減仕入割合=軽減税率対象品目の売上のための仕入額÷仕入総額

2. 1の特例を適用する事業者以外の事業者(例:仕入を行った商品を加工して販売する事業者)
軽減売上割合=通常の連続する10営業日の軽減税率対象品目の売上額÷通常の連続する10営業日の売上総額

3. 1,2の計算が困難な事業者(例:仕入管理も10日間の売上管理も難しい事業者)
50÷100

※仕入税額計算の特例は2020年9月30日で期限が終了しています。

参照:消費税の軽減税率制度|政府広報オンライン


2023年10月1日、インボイス制度導入で変わる請求書方式

軽減税率の期限は決まっていませんが、2023年10月1日、インボイス制度の導入により、現在の区分記載請求書保存方式から適格請求書保存方式に変わります。では、適格請求書保存方式とは、どういったものなのでしょうか。経理担当者の業務はどう変わるのかとともに説明します。

区分記載請求書と適格請求書の違い

区分記載請求書と適格請求書の違いは、記載事項。税務署長に対して「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、申請が通った際に通知される「登録番号」と「税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)および適用税率」、「税率ごとに区分した消費税額等」が追加されるのです。

そして区分記載請求書は、記載事項に漏れがあった場合、受領者は事実にもとづいて追記できました。しかし適格請求書では追記が認められません。必ず発行者に正しい適格請求書の再交付を求める必要があるのです。

ほかにも、大きな違いが2点あります。それは次のとおりです。

・仕入税額控除の要件
従来、免税事業者からの仕入税額控除が認められていました。しかし適格請求書保存方式に変わると、仕入税額控除が認められなくなるのです(経過措置あり※)。

※ 区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等を保存し、帳簿にこの経過措置の規定の適用を受ける旨が記載されている場合にかんしては、次の期間、仕入税額相当額の一定割合が控除されます。

2023年10月1日から2026年9月30日までは、仕入税額相当額の80%の仕入税額控除
2026年10月1日から2029年9月30日までは、仕入税額相当額の50%の仕入税額控除

・発行義務
適格請求書は適格請求書発行事業者の登録を受けた課税事業者のみ発行可能です。そのため、免税事業者は発行できません。

参照:消費税の軽減税率制度|政府広報オンライン

インボイス制度導入で経理担当者がやるべきこととは?

では実際にインボイス制度導入を控え、経理担当者が事前に何をしておくべきか、主なものを紹介します。

・適格請求書等発行事業者の登録申請
インボイス制度導入の時点で適格請求書等発行事業者の登録を済ませておかないと適格請求書が発行できません。登録申請書の提出期限は2021年10月1日から2023年3月31日までです。

・インボイス制度の理解を深める
インボイス制度が導入されると、現在の課税売上の消費税額計算とは異なる方法で計算しなければなりません。システムによって自動化を進めるにしても、計算方法やどう変わるのかについては、しっかりと理解しておく必要があります。今から勉強会や講習などを行いインボイス制度の理解に努めましょう。


軽減税率の期限はないものの請求書方式は2023年10月1日に変更に

軽減税率の導入で経理担当者の業務は複雑化しています。しかし業種によるものの、区分記載請求書保存方式により、その手間も大きな負担になっていないかもしれません。むしろ経理担当者が意識しなくてはならないのは、インボイス制度です。

導入は2023年10月1日ですが、適格請求書を交付するための適格請求書発行事業者になるための登録申請は2021年10月1日より開始されます。適格請求書発行事業者にならなければ、消費税の仕入税額控除も受けられなくなるため、今からしっかり準備を進めておくようにしましょう。

参照:
・消費税の軽減税率制度|政府広報オンライン

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