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請求書・経費精算のDXで、出社しない経理組織へ~リクルートホールディングス

2021/01/25
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請求書・経費精算のDXで、出社しない経理組織へ~リクルートホールディングス

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府が在宅勤務を求めはじめた2020年2月。いちはやくテレワークに切り替えた企業のひとつが株式会社リクルートホールディングスだ。緊急事態宣言下の4月に在宅勤務率はリクルートホールディングスを含めたグループ全体で90%を超え、今も継続している。一般的に出社が必要とされる経理・財務部門も完全テレワークを実現。経理のデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環で、請求書と領収書の電子化などに取り組んだ経理統括部の山崎有香氏に、その導入と運用のポイントを伺う。

システム導入プロジェクト進行中に緊急事態宣言

人材派遣や求人メディア、販売促進メディア、ITソリューションなどの分野で幅広く事業を展開するリクルートグループ。その持株会社であるリクルートホールディングス(以下、HD)のファイナンス本部は、経理・財務・税務の3部門に分かれている。経理統括部の山崎有香氏が所属するのは、リクルートHD単体の経理を担うグループ。HDの財務諸表の作成・開示や、従業員が経費精算や支払で利用するツールの管理運営、会計ガバナンスの構築などを行っている。

「ちょうど経理部門では働き方改革の一環としたDXに向け、会計システムをはじめとするITツール類の刷新プロジェクトを2019年4月に立ち上げ、1年かけて進めていました。まず、社内ツールとして領収書をもとに経費立替精算を行うコンカーの『Concur Expense』を導入し、さらに取引先からの請求書を基に清算を行うコンカーの『Concur Invoice』および取引先からの請求書を電子請求書で受領するシステムとしてインフォマートの『BtoBプラットフォーム 請求書』の導入も決まっていました。『Concur Invoice』と連携できる点と、大手企業をはじめ50万社以上に採用されている実績が決め手です」

2020年4月利用開始に向けプロジェクトが進行する中、社会的には新型コロナウイルス感染の影響が広がりはじめていた。働き方改革の一環だったプロジェクトは「“Nice to have(あったほうがいいよね)”から“Must have(やらねばならない)”に変化していった」という。

一般的に経理は紙の書類の処理が多く、テレワークに向かないといわれる。テレワーク導入企業でも、経理部門は出社しているというケースも少なくない。リクルートHDでも、コロナ禍以前からテレワークが推進されていたものの、業務は紙の書類のやりとりだったため、出社が必然だった。

「経理が出社しなければ支払ができない、決算を締められないという環境は、経理だけでなく他部署の従業員にも出社を強制するフローだといえます。従業員は手元に届く請求書を基に支払依頼を提出するわけですから。システム刷新で取引先からの電子請求データを『BtoBプラットフォーム 請求書』で受け取り、システム連携している『Concur Invoice』で経費精算を電子申請するフローにし、全員が緊急事態宣言下に出社せずにすみました。大げさかもしれませんが、従業員の命を守ったといいますか、コロナ禍に心身ともに健全な状態で事業継続できた点は大きいですし、従業員からも感謝の声が届いています」

とはいえ、新システムの利用開始とほぼ同時に在宅勤務になったことで心配はつきなかったという。事前にマニュアルの配布や説明会などは手厚く行ってはいたものの、使い方が定着するまではある程度時間がかかる。いざ使いはじめればわからないことも出てくるだろう。社内であれば隣の席で顔をあわせて説明できるが、テレワークの場合はどうすればよいのか、経理内部でも様々な検討があった。

「幸いなことに、我々のプロジェクトと同時進行でHD社内ではGoogleが提供するビジネスツール、Google Workspaceが導入されていました。Web会議機能で、すぐそこにいるように顔を見ながら話せますし、ホワイトボードを使って会議室で議論をするように、ドキュメントを共有しながら話し合って資料に即座に反映できます。今まで、出社しないとできないと思っていたことが、インフラを変えればテレワークでも可能なのだと実感しました」

DX成功の鍵は、導入するデジタルツールの特性をとらえ、自社の運用を柔軟に変化させる点にある。経理部では、従業員からの問い合わせ対応や情報発信といった広報的な担当者を置いてシステム利用定着化をはかった。チャットやメールを通じて、「なんでも聞いてくださいね」という相談しやすい雰囲気をつくり、質問があった際は1時間以内の返答を心がけるなど手厚いフォロー体制を敷いた。開発・リリースまで情熱を注いでもその後、浸透しないというケースはよくある話だ。山崎氏はシステムの定着化には、「使う人の不安やストレスを排除し、はやく慣れてもらうことが重要」と強調する。

「加えて、100%完璧なものを作ろうとするより、スモールスタートで実際に利用した声を拾いながら、従業員と一緒に進化していく意識を持つのも大事だと感じました」

コロナ禍のピンチをチャンスに進める経理のDX

リクルートHDが経理回りのシステムを一斉に刷新したのは、一部にアナログを残しては本来の意味でのDXにならないからだ。紙やPDFで受け取ったものを電子データ化するよりも、電子請求書へ切り替え、入口の段階から電子データで受領するほうが、入力作業がなくなり効率的なうえにミスや不正も防げる。

また、システム刷新だけでなく、その裏側に紐づく運用フローも見直さなければ完全なDXはできないという山崎氏。DXは単なるツールの導入、部分的な業務の電子化ではなく、それらを活用した抜本的な業務改革だ。

「DXに立った業務フローに変えなければ、結局、一部は出社しなければならない業務が残ってしまいます。たとえば、チェック業務も、紙で出力して3色ペンを握りしめながら人の目で見比べるより、システム化したほうが効率も良く正確です。決算品質の向上や効率化を考え、システム化できるものはシステムに任せる。システムと運用フローをセットで変えたことで、まったく出社しなくていい経理組織になりました」

山崎氏自身、テレワーク移行後は健康診断やパソコンの入れ替えといった事由で9カ月間に3日ほど出社したのみだという。

「これが普通になっているので、たまに電車に乗ると乗客の多さに驚きます(笑)。もちろん対面で生まれる信頼関係はありますが、業務上の支障を感じることはありません。コロナ禍という大きな風が吹いた1年でしたが、これを追い風と捉えて新たな時代に向けたDXを進めていきたいですね」

取材協力

株式会社リクルートホールディングス

リクルートグループのガバナンスやモニタリングを担う持株会社。傘下にメディア&ソリューション事業を統括する株式会社リクルート他、HRテクノロジー事業、人材派遣事業で3つの統括会社を置き、それぞれの配下会社は人材派遣や求人メディア、販促メディア、ITソリューションなどの分野で幅広くサービスを提供している。

 

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