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緊急事態宣言後、テレワーク利用が3.4倍に急増。定着の鍵は紙の書類と制度設計 - テレワーク利用状況アンケート

2020/05/21
業務効率化

新型コロナウイルス感染拡大防止のために2020年2月以降、企業はテレワークや時差出勤の実施が推奨されてきた。4月に緊急事態宣言が発令されると、テレワーク導入はより強く求められるようになり、これまで実施していた大企業を中心とする一部企業だけでなく、中小企業にもその波は及んだ。

5月末日まで延長された緊急事態宣言は一部で解除されたが、首都圏を中心に予断を許さない状況が続いている。今後、全国的に解除されたとしても、密集を避ける感染防止対策は当面継続されると考えられ、影響は長期化する見込みだ。

3月にBtoBプラットフォームユーザーにテレワーク利用に関するアンケートを行って2カ月経った現在、状況は刻々と変化している。緊急事態宣言後にテレワークを導入した企業も多く、前回とは違う課題も浮かびあがっているのではと考え、再度アンケートを行った。


テレワークの利用は3.4倍の40.9%に

3月の調査では12.1%に留まっていた「テレワークを利用している」との回答が、今回は40.9%と3倍以上に増加している。

経団連が緊急事態宣言後に会員企業を対象に行った独自調査では、テレワークを実施していると答えた企業は97.8%にのぼった。ただ、全社一斉とはいかず対象は限定されている。

今回実施したアンケートでも、部署によって利用率にばらつきがある。特に、経理・財務部門の利用は29.8%と、全体平均と比べて10ポイント以上低い点に注目したい。


2020年4月以降の導入が急増、全体の6割

利用開始時期は今年の4月以降との回答が62.4%を占めている。前回アンケート実施した3月の時点で「試験運用中」「準備中」との声もあり、その後テレワークを開始したと思われる。緊急事態宣言の発令により、急遽4月からテレワークに舵をきった企業も多かった。政府の強い要請と危機管理上、導入せざるをえなかった様子がうかがえる。


テレワーク頻度は週3日以上が6割、完全テレワークは2割

前回52.9%を占めていた、「テレワークの頻度は週2日以下」との回答は今回36.3%まで減少し、6割以上のユーザーが週3日以上のテレワークを実施していた。ただ、原則自宅勤務が推奨されている状況でも完全なテレワークは2割程度にとどまっている。この場合、4月以降にテレワークを開始したユーザーほど出社する日数が多い傾向にある。ある程度テレワーク期間が長くなると運用体制も整い、出社が不要になっていくようだ。


テレワークのボトルネックは紙の書類関連

出社する理由は、帳票・書類の「作成、郵送」や「押印、確認」「取引先からの受取」といった紙の書類の処理に関するものが圧倒的だ。特に、経理・財務部門はこれらの業務に加えて、期末処理・決算業務を理由とする回答が10~20ポイント程度高い。他部署に比べてテレワークの利用率が低い理由も、このあたりにありそうだ。

政府が出社を7割減らすよう求める中で、行政のデジタル化を担うIT政策大臣の発言が物議をかもし、企業のハンコ文化が取りざたされる出来事があった。政財界に広がった波紋は、脱ハンコ文化、デジタル化へと潮目を変えるきっかけとなったともいえる。だが、逆にいえば本来テレワークが可能な業務も、いまだに紙や押印といったアナログな手段のために出社せざるをえない状況が、それだけ大きな課題になっているということでもある。


経理・財務部門は請求書サービスを重視

テレワークに必要だと思うクラウドサービスの上位は、全体では「Web会議」「ビジネスチャット」といったコミュニケーションツールが並び、ついで「勤怠管理ツール」が続く。

一方、経理・財務部門に絞ってみると業務に直結する請求書の「作成・発行」が50.8%、「受取」が48.7%と上位に挙げられている。同様に「会計ソフト」と「経費精算ツール」も全体に比べ回答数が多いが、取引先とやり取りが発生するという請求書の特徴が、より緊急性・重要性を高めていると思われる。

経理・財務部門がテレワークで業務を行うためには、必然的に紙の書類から電子データ化への移行、ペーパーレス化が求められることがわかる。

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準備の整わないテレワークは不満の元に

テレワークによって業務効率が「上がった」と答えたのは19.7%、「変わらない」は38.5%。約6割のユーザーはオフィス勤務と同等以上の業務効率を感じている。

実は3月に行った調査では「効率が上がった(47.3%)」「変わらない(31.8%)」と効果を実感していたのは8割にのぼっていた。逆に効率が下がったとの回答は前回の9%に対し、今回は32.7%と20ポイント以上も増えている。これは何を意味するのだろうか。

テレワーク利用開始時期別に見ると、昨年(2019年)以前から利用しているユーザーと今年4月以降に利用を開始したユーザーでは、「下がった」の割合に約3倍の開きがある。計画的に準備して導入した時期のテレワークと条件が異なり、準備不足の状態で実施したため、テレワークではできない紙の書類の作業などが残ってしまい、効率が悪いといった状況が発生しているようだ。


課題は「紙の書類」とコミュニケーション不足

これまで見てきたようにテレワーク成功のポイントに、紙の書類の扱いが大きく関わっているのは明らかだ。 テレワークに関する課題の上位も「プリンタやスキャナがなく、紙の書類のやりとりができない(50.9%)」「書類が持ち出せず、作業が進められない(44.5%)」との回答が多くを占めている。

3月の調査時点でもこの2点は上位にあったが、前回3位だった「承認に押印が必要で書類の承認を回せない/滞る」は、今回5位まで下がっている。代わりに上位にあがってきたのは「チームや同僚、部下の仕事の進捗が把握できない(36.0%)」「社内の報告・連絡・相談がうまくできない(35.6%)」といった、コミュニケーション不足による課題だ。体制の不備と慣れないテレワークでどのように仕事を進めればよいのか、試行錯誤している様子がうかがえる。


テレワークの利用意向は課題の解決次第との声も

今後のテレワーク利用意向は「利用したい(44.0%)」と「課題が改善されれば利用したい(48.3%)が拮抗する形となっている。前回調査では利用に前向きな回答は97.5%、「利用したくない」は2.5%にとどまっていた。今回は「利用したくない」が7.7%に増え、マインドは一見、ややネガティブ寄りに変化したようにみえる。

だが、これもテレワーク利用開始時期別に見れば、開始時期が早いほど満足度が高いことがわかる。逆に4月以降に導入したユーザーは半数以上が何かしらの課題や不満を抱えている様子が浮かびあがってくる。

通勤にかかる時間の削減やストレスの軽減を歓迎し、今後のテレワークの広がりを期待する声は多い。一方で聞かれる「通信費や光熱費がかかる」 「もっと利用範囲が広がれば」などの訴えに会社が耳を傾け制度を整えれば、利用したいとの声はいっそう高まるだろう。


IT環境と紙の書類次第でテレワークは可能に

では、現時点でテレワークを利用していないユーザーは、どのような背景があるのだろうか。 もちろんサービス業や製造業の現場といった、テレワークに向かない業界・職種は多い。前回に引き続き、1位の「テレワークに適した業務がない(68.3%)」は現実的な回答といえる。

以下に続く、「IT設備・環境が整っていない(31.8%)」「紙の書類が多い(24.8%)」「運用ルールが定まっていない(19.4%)」といった項目がテレワーク導入の壁になっている様子は、前回の調査時とほぼ変わらない。見方を変えれば、これらの課題を解決し運営体制を整えれば、テレワークは可能だともいえる。


8割が今後テレワークを活用したいと回答

現在はテレワークを利用していない状態でも、今後テレワークが認められた場合、約8割のユーザーは前向きに活用したいと回答している。ただその内訳は、前回「全面的に活用したい」と答えたのが20%だったのに対し、今回は16%とややポイントを下げている。

強力な後押しで進んだテレワークの波を目の当たりにし、全面的な導入には課題や限界を感じているのかもしれない。

5月末まで延長された緊急事態宣言は一部では解除され、視点はすでに収束後(ポスト・コロナ)に向けていかなければならないだろう。テレワークを応急処置的なBCP対策と捉えるのではなく、今後も定着する働き方のひとつとして、改めて制度化を進めていくフェーズに差しかかっているのではないだろうか。


まとめ テレワークの導入が成長戦略の鍵に

今回のアンケート結果の最も大きな特徴は、4月以降のテレワーク利用者の急増だった。制度が整ったテレワークを長期的に使っているユーザーとの明暗が分かれる結果となったが、新たにテレワークに取り組んだ人たちからも「通勤のストレスがなくなった」「働き方に多様性が出た」「効率を上げて成果に代える方法を模索したい」という好意的な意見は多い。今後は、紙の書類関連やコミュニケーションなどの浮かび上がった課題を解決し、本来のテレワークの姿に近づけていくことが求められるだろう。

東京都と国が設置した、事業者のテレワーク導入支援を行っている東京テレワーク推進センターでは、次の4つのステップを踏まえた計画的な導入を推奨している。

1.業務整理
2.制度設計
3.ICTツールの選定・活用
4.従業員教育

改めて業務の洗い出しを行ってみると、出社するしかないと思っていた仕事も電子データ化や省略が可能だったり、フローの変更ができたりと、テレワークで対応可能だとわかるかもしれない。

テレワークは新型コロナウイルスを乗り切るための、その場しのぎではない。希望すれば誰でも利用できる体制を整えれば、場所や時間の制約を超えて能力の高い人材の確保・定着につなげることも可能だ。テレワーク社会が目覚めつつある今、一日でも早くこの多様性のある働き方を取り入れることが、成長戦略の鍵を握るだろう。

※本記事は更新日時点の情報に基づいています。法改正などにより情報が変更されている可能性があります。

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