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現金回収までの期間でみる、収益と収入、費用と支出の違い

会社・事業の利益は、収益から費用を差し引いた差額で計算されます。 しかし、案外、収益と費用については知られていない、あるいは勘違いをされている方は少なくありません。利益を構成する基となる、収益と収入、費用と支出の違いを考えてみます。

現金回収までの期間でみる、収益と収入、費用と支出の違い

最終更新日:2016年12月22日

目次

利益を構成する収益と費用とは

会社や事業の利益の基となる数字、収益と費用。まずは、収益と費用とは何か、について、おさらいしたうえで、いろいろ考えてみたいと思います。

◎収益とは


収益として、代表格は売上です。そのほか、本来の事業とは別に、その事業をするうえで生じたものも、収益となります。例えば事業の備品を売ったとか、会社で契約する保険金が入ったり、政府の助成金などが入ってきたときも、収益ですね。ここではいったん、もらったお金をイメージしてください。

◎費用とは


費用として有名なところでいくと、商品や材料を買う仕入、家賃や水道光熱費、消耗品費、旅費、交際費などですが、その他にもたくさんあります。事業を行うために必要としたものは費用となります。ここではいったん、払ったお金をイメージしてもらえると良いです。
収益費用について、各々の最後の部分に“収益はもらったお金をイメージ”“費用は払ったお金をイメージ”と書きました。そんなの当たり前、とも思われるかもしれません。実は、ここが収益と費用を考えるうえで重要になります。もらうお金は収入、払うお金は支出、これはみなさんがご承知の通りです。

▶関連記事:収益と費用の関係から見た利益の上げ方はこちら


利益=収益-費用

会社の利益はこう求め、収益費用は、収入支出のイメージでいきましょう、と書きました。
しかし、あくまで、これはイメージです。収益≠収入・費用≠支出 なんです。
これらはイコールではありません。

収益と収入、費用と支出はイコールではない

この、収益と収入、費用と支出は “イコールではない”という点。ここが案外、知られていなかったりします。なぜ収益と収入、費用と支出は違うのかをみていきます。

◎収益と収入の違い


収益≠収入、これらは売上でみていきます。

まず、収入は、売上の代金であるお金を回収したときに生じます。つまり収入は、もらった現金のことをいうわけです。これが収入です。

そして収益です。収益は、さきほどの収入とは異なり、現金の動きとは関係なく生じます。ここが、まず、収入とは大きく違う点です。

▶関連記事:資金繰りを左右する売掛金と支払・入金サイトの管理

例えば、文房具屋さんにペンを売る仕事で、毎月2回ほど売りにいくとします。ペンを納品して、代金は、毎月末日でいくらだったか集計して、翌月の15日までに振り込んでください、という請求書を出す。こういう場合、ペンを納品するタイミングと、現金が手に入るタイミングがズレますね。納品が4月10日と4月25日・入金が5月15日、という感じです。このズレが、収益≠収入、です。

納品したタイミングの4月10日、25日の時点で収益があがります。収益は、お金を得ることが確定した段階で生じます。相手の倒産などがなければ、入金は約束されていますよね。

このズレは、会社の一年で、期中は良いのですが、期末に納品し、入金は翌期というケースだと、期中は納品で収益を計上する必要があります。現金の動きだけでは、収益は、とらえきれないのです。

◎費用と支出の違い


そして、費用≠支出、これは気を付けたいポイントです。
まず、さきほどの文房具屋さんの側で仕入をみてみましょう。

文房具屋さんは、4月10日・25日にペンを仕入れ、翌月5月15日に支払います。費用は、4月10日・25日に生じます。支払うことを約束したからです。そして、5月15日に、支出がでます。支出は、お金がでていくことです。このとおり、費用は相手方に納品してもらった段階で生じるのです。

ただし、仕入の場合、期末にまだ売れてないペン(在庫)があると、仕入額からマイナスするので、この場合、費用は減ります。

他の例では、さきほどの仕入、もし初めての取引で、初回は事前に代金を振り込んだうえで、後日納品するというケースもあるでしょう。この場合、モノがくる前に支出が生じますね。そして、後日納品されたタイミングで費用があがるわけです。さきほどの、納品→支払と順序が逆ですね。

仕入に限らず、先に代金を支払う、内金を払うなど、モノを手にする前に支出が生じるケースは多々あります。取引のときもそうですが、少し大きい金額の支払いがあるときは、他にも先払いは多いです。ここでよく勘違いされるのが、払ったのだから費用であると思われるケースが多いです。特に、会社の期末ギリギリに大きな支払いをし、納品は翌期というケース。この場合、費用となるのは翌期です。

また、納品を依頼した(注文した)が、納品自体は翌期の場合、これも納品段階で費用ですね。注文だけではダメというわけです。

今回、ペンの仕入を引き合いに出しましたが、会社の備品にしても事務用品にしても、納品を受けた段階で費用です。注文しただけ、内金払っただけ、代金前払いしただけ、ではまだ費用とはなりません。収益、費用いずれにしても、注意したいところです。


正確な収益・費用の把握で得られる、業績把握

ここまで、収益≠収入・費用≠支出、をみてきました。
少しの期間のズレですが、厳密にはそういうことになるわけです。あの支払いはどうなるんだろう、という疑問が出てきた方もいるのでは?特に費用はほかにもいろいろ複雑です。

▶関連記事:収益と費用の関係から見た利益の上げ方。固定費の見直しから始めよう

正確な収益・費用が分かるのであれば、正確な利益を把握することができます。毎月しっかり把握して、月次決算などを組むのであれば、この概念はしっかりおさえておくと良いです。業績把握と設計により役立ちます。

▶参考事例<株式会社トライアルカンパニー様>正しい経営判断には鮮度の高い情報が不可欠。そのために経理業務のスピードアップと精度の向上は欠かせませんでした。

また、期末ギリギリの取引は、税務署の税務調査などの際、よく見られるポイントでもあります。収益と費用に関しては、基本ではありますが、しっかりおさえておきたいところです!

▶関連記事:税務調査で指摘されやすいポイント・注意点~税務調査はどこまで調べる?~

まとめ

収益と収入、費用と支出は期日の違いによって、その概念とともに呼び方が変わることを整理しました。理解しているつもりでも、ちょっとした期日のズレから複雑になってしまうので、処理には時間や手間がかかりがちです。

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※本記事は更新日時点の情報に基づいています。法改正などにより情報が変更されている可能性があります。

著者プロフィール

野田 翔一

1985年生まれ。千葉商科大学大学院修了。税理士。
都内税理士法人を経て、現在は野田税務会計事務所に所属。

野田税務会計事務所ホームページ
https://www.zeirishi-noda.com/
税理士 野田翔一 シゴトブログ
http://zeirishi-noda-blog.com/

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