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フィンテック(FinTech)とは①~世界中で拡大する市場 日本での対応は?

近年、何かと耳にする機会が増えた「フィンテック(FinTech)」。日本では2016年に「フィンテック元年」を迎え、様々な金融サービスが注目を集めている。現状では個人向けサービスが中心だが、今後は企業向けへと広がっていきそうだ。 しかし、実際は「フィンテックって何?」と聞かれても、自信を持って答えられる人は少ないのではないだろうか。 本コラムでは、全3回にわたり、経営や経理・財務に携わる方向けに、“マネー”と切っても切り離せない「フィンテックの基本」をあらためて解説する。

フィンテック(FinTech)とは①~世界中で拡大する市場 日本での対応は?

最終更新日:2017年6月23日

目次

ベンチャー企業の参入が相次ぐフィンテック市場

今、世界中で「フィンテック革命」が進行し、人々の生活や企業活動が大きな変化を遂げようとしている。

フィンテックはFinance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、最新のテクノロジーを駆使して生み出される、新しい金融サービスのことだ。

【フィンテック(FinTech)とは】



従来、金融業の多くは銀行や証券会社などの金融機関が担っていたが、近年は独自の技術を持つベンチャー企業が数多く参入し、革新的なサービスを始めている。こうしたベンチャー企業やプロジェクトへの年間投資額は、2015年に全世界で222億ドル(2兆6,640億円相当)を超えた。

【世界のフィンテック投資金額の推移】



日本でも家計簿アプリやロボ・アドバイザー投資といった、新しい金融サービスが注目を集めている。

マネーフォワードなどが提供する家計簿アプリは、スマートフォンのカメラでレシートの写真を撮るだけで家計簿を記録できたり、銀行・証券口座やクレジットカードなどの入出金情報を一元化して管理できるといった機能を有する。

一方、ロボ・アドバイザー投資は、資産運用に関する知識がなくても、AIがその人のリスク許容度を診断し、最適な分散投資を実行してくれる。



リーマンショックが革命を加速させた

フィンテックの起源は、1998年設立の米・ペイパル社がスタートした決済サービスにさかのぼる。インターネット上に口座を開設すれば、相手方にクレジットカード番号を知られることなく送金でき、電子商取引(EC)の拡大の原動力にもなった。

【アメリカと日本のフィンテック動向】



フィンテックがサービスの幅を大きく広げるきっかけとなったのは、2008年のリーマンショックだといわれる。世界的な経済危機の発生により、既存金融機関の経営状況が悪化し、新規融資の停止やサービス力が低下した。

これにより人々からの既存金融機関への不信感が高まり、金融の新しい枠組みを生み出そうとするトレンドにつながったのだ。そこへIT環境の進化やスマートフォン・クラウドサービスの普及が重なり、ベンチャーの立ち上げに必要なインフラコストが劇的に減少したことも、起業家を後押しした。

こうした追い風を受けて2000年代後半から、アメリカを中心にフィンテックベンチャーが続々と誕生し、独自のサービスを世に送り出した。

一方、日本では、2012年ごろからフィンテック企業が登場してきた。フィンテック「上陸」にやや時間がかかった理由としては、日本は現金主義が主流なうえ、おサイフケータイなど独自の決済サービスが存在したことが挙げられる。

また、いつでもどこでもお金を引き出したり借りたりすることができるなど、既存の金融サービスが充実しており、銀行口座さえ持たない人が多いアメリカのような、切実なニーズや市場に乏しかったことも背景にある。


日本でも進むフィンテックへの対応

日本はアメリカに比べて、フィンテックベンチャー企業への投資額が約83分の1と少ないが、そもそも両国が抱える事情は大きく異なる。アメリカではフィンテックの多くをベンチャー企業が担っているのに対し、日本では大手ITベンダーが占める割合が高い。

実際、世界の情報サービス市場での日本とアメリカのシェアは3倍程度と、その差は小さい。ベンチャーに投じられる額には現れない投資が、日本のフィンテックを支えているのだ。

【フィンテックベンチャーへの投資額】

出所:Accenture分析に基づきインフォマートが作成

【世界の情報サービス市場でのシェア】

出所:Accenture分析に基づきインフォマートが作成

政府も「フィンテック先進国」の地位を確立すべく動き始めた。金融庁が検討会や専用サポートデスクを設けたほか、2016年には銀行による異業種参入を制限していた銀行法が改正され、フィンテック企業への投資が認められるようになった。マネーをめぐる技術革新は、「国策」にまで引き上げられているのだ。

次回の本コラムでは、代表的なフィンテックの活用分野に焦点を当て見ていく。

※本記事は更新日時点の情報に基づいています。法改正などにより情報が変更されている可能性があります。


監修者プロフィール

『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部

この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。

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