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働き方改革の前に必要な「ECRSの法則」第1回 改革が進まない理由

2019/07/29
業務効率化
経理・総務の働き方改革の前に必要な「ECRSの法則」

2018年6月に成立した働き方改革法案について、2019年4月1日から改正法が適用になっている。特に、残業時間の罰則付き上限規制については影響が大きい改正だ。残業時間を原則月45時間かつ年360時間以内などの上限が設けられ、違反した場合罰則が課される恐れがある。

あなたの会社の経理・総務部門について、働き方改革は進んでいるだろうか。「業務に追われている」のが現状かもしれない。

業務改革への必要性は、7割が感じている

株式会社インフォマートが、2018年に実施した経理担当者と管理職1,725人への調査結果を見てみよう。「いま、経理・財務部門に変化が求められていると感じますか?」には、「はい」に70%の回答が集まっており、変化への必要性は多くの人が認識しているといえる。

Q いま、経理・財務部門に変化が求められていると感じますか?

Q

しかし、「直近の3年程度で、貴社の経理・財務部門で業務改善などの新しい取り組みを行いましたか?(複数回答)」という問いには、約3割が「特にしていない」と回答している。ITツールの導入といった、投資に取り組んだという回答も27%に留まっているのが実態だ。

Q 直近の3年程度で、貴社の経理・財務部門で業務改善などの新しい取り組みを行いましたか?(複数回答)

Q

なぜ、経理・総務部門で業務改善への必要性を感じながらも、改善が進んでいないのだろうか。

業務量が季節変動、人力に頼って業務が属人化

筆者は以前金融機関において、5年間総務業務を担当した。約200か店ある営業店と本部セクションの総務業務を統括するのがミッションである。すぐ隣のラインは経理部門で、本部および営業店の経理処理を一手に担っていた。筆者の経験から、経理・総務部門には、働き方改革の阻害要因が3つあると考える。

➀ 季節変動要素が大きい

経理・総務部門は業務量に季節変動があり、特に月末月初に業務が集中しがちだ。多くの業務量を決まった数日間でこなさなければならないため、残業せざるを得ない。

➁ 最小限の人員

では職員の残業削減のために、人員増加を経営企画部門に要求するとする。ここでも業務量の季節変動があることが理由となり、要求が通らないことが多かった。「閑散期も含めて、業務量を年間で平準すれば今の人員数で足りている」という理由のためだ。人員を1人分増やすと、年間を通してコストが上がってしまう。

➂ 業務を属人化させ効率化

では、人員が増えないとなると今いる人員でなんとかするしかない。筆者が以前勤務していた金融機関の経理・総務部門は、その業務の特殊性からか、他部署と比較して異動が少ない部署であった。特に20年以上その部署で勤務している「ベテラン」、その多くは女性たちが支えていた。異動が少ないため業務は属人化していたが、業務に習熟したベテランさんたちがいる限り、「忙しくても、なんとかなって」いたのだ。

このように、業務に季節変動要素が大きく、一方で人員も増えないことから、業務の属人化で効率化しなんとか乗り越えている。こうして「残業当たり前」の風土が作られていくのが、経理・総務部門ではないだろうか。

業務改善を阻む要因は、人手不足と業務多忙

つまり、「業務の季節変動性」「最小限の人員」「業務の属人化で効率化」という3つの要素が阻害要因となり、業務改善をしようにも「忙しくてできない」という結果になる。

この現象は経理・総務部門だけでないようだ。株式会社帝国データバンクが、2018年8月に実施した「働き方改革に対する企業の意識調査」において、働き方改革に取り組む予定がない、または以前取り組んでいたが、今は取り組んでいない企業に対し、その理由を質問している。その結果、3位に「人手不足や業務多忙のため、手が回らない」が上がっている。

Q

以上の結果から、経理・総務部門は、業務改善の必要性を感じながらも「人手不足と業務多忙」により、なかなか手を付けられていないという現状が伺える。

経理・総務の働き方改革は「業務の洗い出し」から

少数精鋭で多くの業務をこなす必要がある経理・総務部門は、生産性の効率をあげるために、各々の担当業務を決めて分業するしくみが取られる。習熟度が高い担当者が効率よくこなすことで、数多くの作業をさばくことが可能になるのだ。

しかしその一方で、分業体制は業務がそれぞれの担当者でタコツボ化し、「課全体の業務量はどれくらいあるのか」がわかりにくくなっている。

経理・総務部門が働き方改革に取り組むには、この状態を解きほぐし、「業務の見える化」を図ることが必要だ。そうすることで、業務のムリ・ムダが明確になり、業務改善の方向性を検討することができる。次回は、業務の見える化および業務改善の視点である「ECRSの法則」について解説する。

本コラムの著者プロフィール

米澤 智子(よねざわ ともこ)

米澤 智子(よねざわ ともこ)

株式会社プロデューサー・ハウス ライター、コンサルタント 2009年地方銀行入行、中小企業融資および総務部門で銀行全体の通信設備管理や働き方改革、株主総会運営に携わる。2016年中小企業診断士登録。現在は公的機関において製造業のBtoC向け販路拡大支援に携わる。
共著「一人ひとりの『働き方改革』講座」(日本マンパワー株式会社)

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